BUCK-TICKというバンドについて
BUCK-TICKというバンドの存在はかなり昔から知っていた。
音楽雑誌でもその名はよく見ていたし気にもなっていた。しかし中々BUCK-TICKの楽曲を聴く事は無かった。
理由は見た目の雰囲気が独特で、他のバンドとは全く違い、正直怖かったからだ。
眼光鋭い魔王のようなルックスの櫻井敦司さん、特に今井寿さんに至っては、冷徹の塊で人の心など持ち合わせていないヤバそうな人(失礼🙇♂️)という印象しかなく、怖かった(2回目)
怖い
怖い
自分にはほとんどと言っていいぐらい趣味が無い。周りの人がプロ野球の結果がどうだとか、オリンピックがどうだとか話していても、あぁそうですかという感じだし、皆が大好きな動物に対しても全然飼いたいとは思わないし、自分でも頭おかしいという自覚は有る💦
そんなオレでも昔から音楽、特にロックは大好きで、中一の時にBOØWYのGIGSのライブを聴いて衝撃を受けて以来、今も様々なロックを聴き続けている。
本当に唯一の趣味といって良いだろう。
今までジャンル関係無く色んなバンドの音源を沢山聴いて、自分好みのバンドを発掘するのが楽しいし喜びでも有った。
何十年もそういう事をしているので、好きなバンドや作品は簡単には数え切れないくらい沢山有る。
自分はこれまでずっと基本的にはロックは一聴してガツーン!と来てアップテンポで攻撃的なものが好きだったので、そんな作品を追い求め続けてきた。
ある日、友達がBUCK-TICKのベストアルバムを借りてきたので初めてまともに聴いた事が有った。
初期の頃の音源は何曲かカッコ良い曲が有るし、どこかで耳にした事のある有名な曲も有った。
しかし、その他の曲はダークかつ不気味なものが多く、当時の自分には凄く難解に感じた。
時が過ぎ、年齢を重ねた自分は食べ物の好みが変わった。
今まで絶対無理だと思ってた納豆やオクラ、ナスも普通に食べられる様になった。
逆に大好きだった油っこいものがあまり食べられなくなってきたという変化も出てきたのだが…
音楽もそれと似ていて好みがだんだんと変わっていった。今まで好きだったストレートなサウンドの音源はカッコ良いけど、飽きやすいと感じるようになってきてしまった。
音楽の好みも変わってきたという事で、今まで聴かず嫌いで聴いて来なかった90年代初頭に現れたグランジ・オルタナロックを色々聴いてみようと思い、動画を物色していると、芸人の永野さんがやっている永野チャンネルを発見した。
永野さんは90年代のロックが好きで、NIRVANAとかレッチリ、Atari Teenage Riot等様々なバンドを紹介されていて、興味深く、話しも面白いので沢山の動画を見ていた。
そんな中で、永野さんがBUCK-TICKについて語られている回が有って、凄く面白く魅力が語られていて、興味がそそられてちゃんと聴いてみたくなった。
でもそう思いながらも自分の中でBUCK-TICKは取っ付き難いイメージと、作品数が多いので、どの作品から聴けば良いのかも分からないし、結局は聴かなかった。
永野チャンネル面白い
それから暫くした時に、男3人がお酒を飲みながら好きなロックの名盤について語る、「名盤ラジオ」というYouTubeチャンネルを発見した。
このチャンネルでは好きな名盤を選んで、その作品のバンドについての概要や、その作品がリリースされるまでの背景について語られる回や、アルバムの1曲目から終わりの全曲について語られる回、振り返り&総括する回が有り、聴いていて凄く分かりやすく、冗談も交えながらなので、非常に楽しく、ランダムに色んな回を聴いていた。
洋楽の名盤を取り上げていたり、邦楽では主にX JAPAN、LUNA SEA、L'Arc~en~Ciel、黒夢等が取り上げられていて、色んな回を聴き進めていくと、BUCK-TICKも取り上げていたので聴いた。
名盤ラジオではBUCK-TICKの凄さや特異性、時代を先取りした音楽性や、カッコ良いのにどこか面白いバンドであるという事が語られていたので、そこから本気で興味を持って、色んな曲を聴くようになった。
それから名盤ラジオで取り上げられているBUCK-TICKの作品のCDを集めて聴くようにもなっていった。
名盤ラジオでは、何枚もBUCK-TICKの作品を取り上げて語っている📻
買った作品💿
色々な作品を聴いたり映像や動画を見たりしていく内に、どんどんBUCK-TICKの魅力にハマっていった。
BUCK-TICKというバンドの特徴としては、今年で活動歴が36年目に突入し(約半年の活動休止期間有り)、しかも1度もメンバーチェンジ無し(こんなバンドほぼ居ない)
コンスタントに作品をリリースし続けているので、オリジナルアルバムだけで22枚も有る。
一般的にはヴィジュアル系の元祖として捉えられがちだが(自分もそう思ってた)、そうではない。
どちらかと言うとBOØWYと同じ高校の後輩というのも有って、デビュー時は特にBOØWYと似たような立ち位置の存在だった。
音楽の特徴としては、初期の数枚はBOØWYからの影響が感じられるビートロックにBUCK-TICKの個性をプラスした様なサウンドで、そこからダーク寄りの作品や、ゴシック寄りの作品、テクノを取り入れたり、デジタルやサンプリングを使用したり、アンビエントやドラムンベース、グランジ・オルタナ、ロックンロール、コンセプトアルバム等など、捉える事も出来ないぐらい型に囚われない、所謂BUCK-TICKというジャンルの音楽である。
個人的にはBUCK-TICKの作品のほとんどが一聴してもピンと来ない事が多いが、何か必ず引っ掛かりが有るので、何度か聴き続けていくうちにだんだん良くなってきて、アルバム全体の曲を覚えるまで聴き込んだ時には好きになっているというパターンが多い。
自分が今まで星の数程沢山の作品を聴いてきた経験からすると、こういう引っ掛かりの有るスルメアルバムの方が飽きずにずっと聴いていられる傾向が有るので、結果的に自分の中の名盤になる可能性が極めて高い。
又、カッコ良いのに歌詞だったり曲調がぶっ飛び過ぎてて思わずニヤリとしたり、笑ってしまったりするところも有るし、変わっていてとても面白いバンドだなとつくづく思う。
またメジャーなバンドなのに海外進出するつもりも無く、ヒットチャートを狙いもせずに、自分達の納得いく音楽を貫き通していて、そういうのが好きな人だけ聴いてくれれば良いという姿勢も好きだ(これで活動が続けられているのが凄い)
とにかく個性が強烈で、今となっては唯一無二な存在のバンドだというのも魅力的な点だ。
またステージにおいても、ミュージカルや演劇を観てるかの様な世界観が構築されていて、圧倒的な凄みが有る。
凄すぎて狂気すら感じる事も有るぐらいだ。
こんな感じでどんどんBUCK-TICKが好きになってきたが、それでもまだアルバム作品の半分くらいしか聴けていない。(まだまだ沢山楽しめそうだ)
残りの作品を集めて聴き込んだら、来年からは近くに来てくれた時ぐらいはLIVEに行ってみようかなと思っていた。
そんな時にボーカルの櫻井敦司さんがLIVE中に倒れられて救急搬送されたというニュースを見た。
それを見た時、LIVEツアーが始まった所だったので、残りのツアーは中止になるかも知れないなと思ったが、体調不良は仕方ないし、ゆっくり休んでもらって、来年でもまた活動してくれるのだろうと考えていた。
それから数日が経った時に突然、亡くなったというニュースを見た。
信じられなかった。
時間が止まって、頭の中が真っ白になり、激しく動揺した。訳が分からなくなり、亡くなったという文字が受け入れられずにパニックになった。
凄い悲しみが襲ってきたが、涙も出なかった。
途方に暮れていたら、割とすぐに今井寿さんのインスタグラムから投稿が有って、コメントしてくれていた。
ずっと、あっちゃんの横でギターを弾いていたかった。で泣いた。
ま、でもね。
続けるからね♪
✌️大丈夫
を見て、おぉ!続けてくれる!良かった!と喜びつつも、これは、ずっと一緒にやってきて1番悲しいはずの今井さんが、ファンを不安にさせない為のメッセージなんだと気付いて更に泣いた。
コメントを読み返していると、いや、待てよ。これは櫻井さんに向けてのメッセージなんだなと気付いたら涙が止まらなかった。
ダブルミーニング、流石です。
冒頭でも書いたが今井さんは見た目が怖いし、テレビに出演しているのを見ていても、愛想が良い方では決してない。
インタビューとかでもボソボソっと答えたり、片言しか話さない事もしばしばという印象。
普通ならこういう状況では、コメントする事は有っても、今後の活動については何も答えないだろう。
でも今井さんは、ファンの不安や悲しみを少しでも和らげようと配慮して、すぐに続けるという意向を示してくれたに違いない。
こういういざという時に、気配りの出来るファン思いの優しい人だな。
凄く感動した。
それから暫く経ち、櫻井さんのCEREMONYが行われる事が発表された。
バンドは続けてくれるけど、活動はすぐには出来ないし、増してやライブは当分出来ないだろうなと思っていた。
そんな矢先にまさかの年末に、バクチク現象のLIVEが行われるという発表が有った。
この状況で、さあ、始めよう━━━━━は痺れた⚡️カッコ良過ぎ!
どんなLIVEになるのか想像もつかないし、行けないけど、不安は無いしワクワクする。
きっと何か凄い事をやってくれるに違いない。
こんなカッコ良いバンド、一生着いて行くしかないよ!
今後の活動も期待しております!末永くバンド続けていって下さいと強く思った。
自分自身、
櫻井さんが亡くなってぽっかり穴が空いた状態で、未だに全く受け入れたく無いし、悲しみも消えないけど、多くのアーティストがよく言っている「今ステージ上で死んでも後悔無い様に全力でやります!」、「ステージの上で死ねたら本望です!」を本当に体現してファンに見守られながら亡くなられた事は、幸せな事だったんじゃないかと思う様にしています。
結局1度も櫻井さんを生で観る事は叶わなくなってしまって、何でもっと早くBUCK-TICKを聴こうとしなかったんだと後悔した。
推しは推せる時に推せ!ってよく聞くが、本当にそう思う。
でも後悔していても仕方がないので、今からでもBUCK-TICKが好きになれて良かった、
知らないままで終わらなくて良かった。と思う様にします。
これから後追いでどんどん過去の作品も聴きつつ、これからの作品もリアルタイムで楽しんでいける事を感謝していこうと思います。
以上、関西より愛を込めて。